人生すべて飛花の境地で

お釈迦様のいう「犀(さい)の角のようにただ独り歩め」の意味を検索した。インドのサイは単独行動するので、その1本角のように孤独でいなさい、というような意味らしかった。

禅に興味のある私にはピッタリの言葉で、とても好きだ。

林芙美子の『婚期』の主人公登美子も禅に興味を持っていた。私は『婚期』が大好きで、特に、「青煙はかすみ、人生すべて飛花の境地で悠々と自分の生活は自分で誰にも犯されないやうに固く殼を守つてゐる。」という一文は何度も読んだ。

私も登美子のように漱石を読み、淡々とした日々を重ねてゆきたい。最終的には人は死ぬのだ。その日が来るまで、人生すべて飛花の境地で生きてみたい。