母のことが好きだ。今でも、小学生の子供がお母さんに今日の出来事を話すように報告している。母は若い頃に私に時間を割くことができなかったぶんを取り戻すかのように何でも話を聞いてくれる。私は母に先に死なれるなどということは考えられない。そんなことがあってたまるかコンチクショーと思う。
先日、母との通話中に「わたし、お母さんに先に死なれるくらいなら自分が死んだほうがマシ」これを言った瞬間、「バカッ!」という母の声が携帯から響いた。滅多に怒ることのない母が、怒った。
なんだか、警策を頂いた気分だった。
愛する人との別れは絶対にくる。それはどうしても逃れられない。それでもどうにかして生きていくしかない。私には、「死はない」とか「生命は永遠」とか言う言葉が理解できない。わかれない。全てが死から逃れられない儚い存在で、そういう事実には耐え難いと感じる。死にたくない。絶対に死にたくない。
何について考えていても行き着くところは「死にたくない」なので、しんどくなってきた。偉い人よ、この苦しみをどうか取り除く術を教えてください。
どうか。