あの感じ

 

私が師と仰ぐ人物は常に意識的でありなさいと言うのだがその言葉に触れたときはいっときその気になっても気を抜くとすぐに無意識の自動モードに戻ってしまう。
家にいて、家事をする。外に出て、用事を済ませる。どんなときも意識的であること。
過去に囚われるときや未来に心を奪われるとき、わたしは不在で、頭の中のおしゃべりに全存在を乗っ取られている。そうではない状態を維持できていた時期もあったのに。
いったいどうやったら「あの感じ」に戻れるのだろう。とても懐かしい。
いま「懐かしい」と書いたが、本当に懐かしいのだ。なぜならそうであることが本来の状態なのだから。